インボイス制度 実質損益分岐点逆算機記事一覧

取引先からインボイス登録を求められたときの考え方

免税事業者として取引を続けていると、取引先から「インボイス登録の予定はありますか」と聞かれることがあります。この記事では、こうした打診を受けたときに、落ち着いて確認しておきたい観点を整理します。

まず取引先の立場を理解する

取引先が登録を打診してくる背景には、免税事業者からの仕入れについて仕入税額控除を受けられなくなる、または経過措置により一部しか受けられなくなるという事情があります。取引先も自社の消費税負担を管理する必要があるため、この打診自体は制度上自然な動きだといえます。感情的に受け止める前に、まずこの仕組みを理解しておくことが役立ちます。

経過措置の段階を確認する

免税事業者からの仕入れに係る仕入税額控除の経過措置は、以下のように段階的に縮小していきます。取引先がどの段階を意識して打診しているのかを確認すると、要求の背景がつかみやすくなります。

期間取引先が控除できる割合
2023年(令和5年)10月〜2026年(令和8年)9月80%
2026年(令和8年)10月〜2028年(令和10年)9月70%
2028年(令和10年)10月〜2030年(令和12年)9月50%
2030年(令和12年)10月〜2031年(令和13年)9月30%
2031年(令和13年)10月以降控除なし
出典: 国税庁 インボイス制度サイト国税庁 令和8年度税制改正特集

その場で結論を出す必要はない

登録するかどうかは、自分の売上規模・事業計画・取引先構成など複数の事情が絡む判断であり、打診を受けたその場で結論を出す必要はありません。一般的には、まず現時点と数年後の経過措置の段階それぞれで、免税のままでいた場合の値引き圧力の目安と、登録した場合の納税負担の目安を比較してから検討することが有効だと考えられます。

打診の背景を確認する質問をしてもよい

取引先から登録を求められた際、なぜそのタイミングで打診してきたのか、どの程度の条件変更を想定しているのかを、可能な範囲で確認してみることも一つの方法です。取引先も経過措置の段階に応じて自社の負担を管理する必要があるため、背景を共有してもらうことで、感覚だけで反応するよりも状況を整理しやすくなります。

複数の取引先から同時に打診が来た場合

複数の取引先からほぼ同時期に登録を求められた場合、それが経過措置の段階が切り替わる時期と重なっていることも考えられます。一般的には、個別の取引先ごとに対応を考えるだけでなく、全体の取引先構成を踏まえて登録するかどうかを検討することが、判断材料を整理する上で役立ちます。

登録するかどうかは自分の判断材料で決める

取引先からの打診はあくまで一つの情報であり、登録するかどうかを取引先の都合だけで決める必要はありません。自分の売上規模・取引先構成・今後の事業計画を踏まえて、どちらが手取りの面で有利になりそうかを確認した上で検討することが目安になります。インボイス制度 実質損益分岐点逆算機で、現在の条件を入力して試算結果を確認し、判断材料の一つとして活用してみてください。


本サービスは特定の税理士・会計事務所・会計ソフトへの登録や、インボイス発行事業者としての登録・納税方式の選択を推奨するものではありません。表示している試算結果は、国税庁が公表する制度情報(2割特例・3割特例・簡易課税制度・免税事業者からの仕入れに係る経過措置)に基づく一般的な目安であり、実際の税額・届出期限・有利な選択は事業者ごとの個別事情(業種・取引先構成・決算期等)により異なります。実際の税務判断・届出手続きは、必ず税理士等の専門家にご確認ください。(本ツールが参照した制度情報の確認時点: 2026-09-13)

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