免税事業者のまま取引を続けるかどうかを考えるとき、確認しておくと判断材料が整理しやすくなる項目がいくつかあります。この記事では、それらを一覧にして整理します。あくまで確認事項の整理であり、登録すべきか免税のままでいるべきかを断定するものではありません。
チェック1: 基準期間の課税売上高が1,000万円を超えていないか
基準期間(2年前)の課税売上高が1,000万円を超える場合、インボイス発行事業者としての登録の有無に関わらず、消費税の課税事業者になる義務が生じます。まずこの基準を超えていないかを確認する必要があります。
チェック2: 主な取引先が課税事業者か消費者かを整理したか
取引先が課税事業者である場合と、消費者や免税事業者中心である場合とでは、値引き圧力の理論上の目安が大きく異なります。自分の取引先がどちらに近いかを整理しておくことが出発点になります。
チェック3: 経過措置の現在の段階を把握しているか
免税事業者からの仕入れに係る仕入税額控除の経過措置は、以下のように段階的に縮小していきます。今がどの段階にあたるかを確認しておきましょう。
| 期間 | 取引先が控除できる割合 |
|---|---|
| 2023年(令和5年)10月〜2026年(令和8年)9月 | 80% |
| 2026年(令和8年)10月〜2028年(令和10年)9月 | 70% |
| 2028年(令和10年)10月〜2030年(令和12年)9月 | 50% |
| 2030年(令和12年)10月〜2031年(令和13年)9月 | 30% |
| 2031年(令和13年)10月以降 | 控除なし |
チェック4: 想定される値引き要求率を具体的な数字にできているか
「なんとなく値引きされそう」という感覚のままにせず、取引先ごとに想定される値引き要求率を具体的な数字として置いてみることが、比較検討の材料になります。実際の値引き要求率は取引先ごとの個別事情によるため、あくまで理論上の目安として扱います。
チェック5: 登録した場合の納税負担の目安も確認したか
登録した場合に使える2割特例(個人事業者は2026年〈令和8年〉分まで、法人は2026年〈令和8年〉9月30日を含む課税期間まで)や簡易課税など、複数の選択肢があります。免税のままでいた場合の値引き圧力の目安と、登録した場合の納税負担の目安を並べて比較することが判断材料になります。
出典: 国税庁 2割特例特設ページチェック6: 節目ごとに見直す予定を決めているか
一度の判断で固定するのではなく、経過措置の段階が切り替わる節目ごとに状況を見直す予定を決めておくと、変化に気づきやすくなります。
上記の項目を整理した上で、インボイス制度 実質損益分岐点逆算機に事業形態・売上高・取引先の属性・試算対象日を入力すると、現時点の目安を具体的な数字で確認できます。
本サービスは特定の税理士・会計事務所・会計ソフトへの登録や、インボイス発行事業者としての登録・納税方式の選択を推奨するものではありません。表示している試算結果は、国税庁が公表する制度情報(2割特例・3割特例・簡易課税制度・免税事業者からの仕入れに係る経過措置)に基づく一般的な目安であり、実際の税額・届出期限・有利な選択は事業者ごとの個別事情(業種・取引先構成・決算期等)により異なります。実際の税務判断・届出手続きは、必ず税理士等の専門家にご確認ください。(本ツールが参照した制度情報の確認時点: 2026-09-13)