インボイス制度への対応を考え始めた個人事業主にとって、最初に確認しておきたい基本的なポイントは大きく3つに整理できます。この記事では、その3点を順に解説します。
ポイント1: 基準期間の課税売上高が1,000万円を超えていないか
最初に確認したいのは、基準期間(2年前)の課税売上高です。基準期間(2年前)の課税売上高が1,000万円を超える場合、インボイス発行事業者としての登録の有無に関わらず、消費税の課税事業者になる義務が生じます。この場合は「登録するかどうか」の検討以前に、すでに課税事業者としての申告義務が生じている点を押さえておく必要があります。
ポイント2: 主な取引先が事業者か消費者か
次に確認したいのは、主な取引先が消費税の仕入税額控除を必要とする事業者なのか、それとも一般消費者や簡易課税を選んでいる事業者・免税事業者なのかという点です。取引先が仕入税額控除を必要としない場合、インボイスを発行できなくても値引きなどを求められる圧力は理論上小さくなるとされています。逆に取引先が課税事業者で仕入税額控除を重視する場合は、免税のままでいることの影響を考える必要があります。
ポイント3: 課税事業者になった場合に使える負担軽減の仕組みと期限
免税事業者から課税事業者になる場合、2割特例や簡易課税制度など、納税額の計算方法を選べる場合があります。2割特例は個人事業者の場合2026年(令和8年)分まで、その後は2027年(令和9年)分・2028年(令和10年)分に限り3割特例(個人事業者のみ)が使えるとされています。簡易課税を選ぶ場合は、簡易課税のみなし仕入率は事業区分(第1種〜第6種)によって90%〜40%まで異なります。他の方の事業区分をそのまま当てはめると結果が変わります。
3点を踏まえた上での考え方
この3つのポイントは、それぞれ独立してではなく、組み合わせて考えることが重要とされています。基準期間の判定結果、取引先の構成、負担軽減の仕組みと期限を踏まえた上で、免税のままでいるか課税事業者になるかを検討する必要があります。インボイス制度 実質損益分岐点逆算機では、これらの項目を入力することで、実質的な損益分岐点を試算できます。実際の判断は個別の事情によって異なるため、税理士等の専門家への相談もあわせて検討してください。
出典: 国税庁 特集インボイス制度、国税庁タックスアンサーNo.6505本サービスは特定の税理士・会計事務所・会計ソフトへの登録や、インボイス発行事業者としての登録・納税方式の選択を推奨するものではありません。表示している試算結果は、国税庁が公表する制度情報(2割特例・3割特例・簡易課税制度・免税事業者からの仕入れに係る経過措置)に基づく一般的な目安であり、実際の税額・届出期限・有利な選択は事業者ごとの個別事情(業種・取引先構成・決算期等)により異なります。実際の税務判断・届出手続きは、必ず税理士等の専門家にご確認ください。(本ツールが参照した制度情報の確認時点: 2026-09-13)