消費税の課税事業者になるかどうかを分ける基準のひとつが、基準期間(原則として2年前)の課税売上高です。この記事では、基準期間の課税売上高が1,000万円を超えた場合に何が起きるのかを整理します。
基準期間の課税売上高が1,000万円を超えると課税事業者になる義務が生じる
基準期間(2年前)の課税売上高が1,000万円を超える場合、インボイス発行事業者としての登録の有無に関わらず、消費税の課税事業者になる義務が生じます。これはインボイス制度の登録とは別に、消費税法上もともと定められている仕組みで、インボイス制度が始まる前から存在する基準です。
「登録するかどうか」とは別の判断になる
基準期間の課税売上高が1,000万円を超えている場合、「免税事業者のままでいる」という選択肢自体が存在しません。つまり、インボイス発行事業者として登録するかどうかを検討する前に、すでに消費税の申告・納税義務が生じています。登録するかどうかは、取引先が仕入税額控除を受けられるようにするかどうかという、これとは別の判断になります。
基準期間の考え方に注意する
基準期間は、個人事業者の場合は原則としてその年の前々年、法人の場合は原則として前々事業年度を指します。直近の売上高が1,000万円を超えていても、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であれば、その年は原則として課税事業者になる義務は生じません。反対に、直近の売上高が下がっていても、基準期間の課税売上高が1,000万円を超えていれば、課税事業者になる義務が生じる点に注意が必要です。
課税事業者になった場合の負担軽減の仕組み
課税事業者になった場合でも、2割特例や簡易課税制度など、納税額の計算方法を選べる場合があります。ただし2割特例は免税事業者からインボイス発行事業者になったことで課税事業者になった場合が対象で、個人事業者は2026年(令和8年)分まで、法人は2026年(令和8年)9月30日を含む課税期間までという期限があります。基準期間の課税売上高が1,000万円を超えて課税事業者になる場合の適用可否は、個別の状況によって異なるため確認が必要です。
試算する際の考え方
基準期間の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかは、試算の出発点になる重要な確認事項です。インボイス制度 実質損益分岐点逆算機では、基準期間の課税売上高を入力すると、1,000万円を超えているかどうかを最初に確認し、超えている場合はその旨を案内する仕組みになっています。実際の申告義務や基準期間の判定については、税理士等の専門家にご確認ください。
出典: 国税庁 特集インボイス制度、国税庁 インボイス制度サイト本サービスは特定の税理士・会計事務所・会計ソフトへの登録や、インボイス発行事業者としての登録・納税方式の選択を推奨するものではありません。表示している試算結果は、国税庁が公表する制度情報(2割特例・3割特例・簡易課税制度・免税事業者からの仕入れに係る経過措置)に基づく一般的な目安であり、実際の税額・届出期限・有利な選択は事業者ごとの個別事情(業種・取引先構成・決算期等)により異なります。実際の税務判断・届出手続きは、必ず税理士等の専門家にご確認ください。(本ツールが参照した制度情報の確認時点: 2026-09-13)