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簡易課税と原則課税を試算で比較する際の注意点

簡易課税と原則課税のどちらが有利かを試算で比較する際、入力する数字の前提を誤ると、実態とかけ離れた結果になってしまうことがあります。この記事では、比較する際に見落としやすい注意点を整理します。なお本記事は特定の税理士・会計事務所・会計ソフトへの登録を推奨するものではありません。

事業区分を間違えると結果全体が変わる

簡易課税のみなし仕入率は事業区分(第1種〜第6種)によって90%から40%まで異なります。他の方の事業区分をそのまま当てはめると結果が変わりますので、まず自分の取引実態に合った区分を選ぶことが比較の前提になります。区分を一つ誤るだけで、みなし仕入率が10〜30ポイント単位で変わり、簡易課税側の試算結果全体が大きくずれてしまいます。

出典: 国税庁タックスアンサーNo.6505

原則課税の課税仕入割合は変動しやすい前提であることに注意

原則課税を試算する際に使う課税仕入割合(売上に対する課税仕入の割合)は、過去の実績に基づく見込み値であることが一般的です。設備投資の有無や取引先の構成が変われば、この割合も年ごとに変動します。単年の実績だけを根拠に試算すると、翌年以降の実態と乖離する可能性があるため、複数年の推移も踏まえて割合を見積もることが望まれます。

比較する際に確認したいチェックリスト

確認項目見落としやすいポイント
事業区分複数の取引形態がある場合、最も比重の大きい区分だけで判断していないか
課税仕入割合単年の実績だけで見積もっていないか、設備投資の予定を考慮しているか
試算対象日2割特例・3割特例の期限が近い時期の試算になっていないか
取引先の属性値引き要求率の想定が、実際の取引先の反応と乖離していないか

期限のある特例と比較する場合の注意

2割特例は個人事業者が令和8年(2026年)分まで、法人が令和8年(2026年)9月30日を含む課税期間まで、3割特例は個人事業者のみ令和9年(2027年)分・令和10年(2028年)分が対象という期限があります。これらの特例が使える時期の試算結果と、特例終了後に簡易課税・原則課税を比較する試算結果は前提が異なるため、混同しないよう試算対象日を明確にして比較することが大切です。

経過措置の段階にも注意する

免税事業者からの仕入れに係る仕入税額控除の経過措置は、2023年10月〜2026年9月は80%、2026年10月〜2028年9月は70%、2028年10月〜2030年9月は50%、2030年10月〜2031年9月は30%、2031年10月以降は控除なしと段階的に縮小していきます。免税事業者のままでいる場合の値引き圧力を試算する際、どの段階の控除割合を前提にしているかによって結果が変わるため、比較する時点をそろえておくことが重要です。簡易課税・原則課税の比較と、免税のままでいる場合の比較を同じ試算対象日で並べて確認すると、前提のずれを防ぎやすくなります。

実際に試算してみる

インボイス制度 実質損益分岐点逆算機では、試算対象日を変えて複数の時点を比較できる仕組みを用意しています。事業区分・課税仕入割合・試算対象日をそれぞれ変えながら試算し、どの前提でどう結果が変わるかを確認してみてください。

本サービスは特定の税理士・会計事務所・会計ソフトへの登録や、インボイス発行事業者としての登録・納税方式の選択を推奨するものではありません。表示している試算結果は、国税庁が公表する制度情報(2割特例・3割特例・簡易課税制度・免税事業者からの仕入れに係る経過措置)に基づく一般的な目安であり、実際の税額・届出期限・有利な選択は事業者ごとの個別事情(業種・取引先構成・決算期等)により異なります。実際の税務判断・届出手続きは、必ず税理士等の専門家にご確認ください。(本ツールが参照した制度情報の確認時点: 2026-09-13)

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